FOCAL

Aria 948

聴く歓びへの新しい指標
究極のマテリアル「FLAX」の大発見

開発時のリファレンスモデルとして選ばれた、シリーズを代表する最も特徴的なシステムです。21cm口径のダブルウーファーから放たれる制動の効いた強烈な低音。音楽に情熱を燃やすマニアのために開発された、オーディオの本質を追究したシステムです。

スペック比較表

Aria 948

・NOYER 標準価格 ¥300,000/1台 (税別)
・Black High Gloss 標準価格 ¥330,000/1台 (税別)

カラ-

NOYER(ノワイエ)
Black High Gloss(ブラック・ハイグロス)

特徴

Aria 900 / 新しい風は、いつもフランスから―― 

フォーカル社は、フランス文化の土壌によって育まれた音響哲学の美学をもって、1980年フランス ロワール地方のサンティエンヌ市に、ジャック マユールによって設立されました。

スピーカードライバーに採用する"W"サンドイッチコーンの発表から18年―― 再び大きな革新の発表です。
それは5年以上にわたる研究開発から生まれた天然素材FLAXという繊維の発見です。同じサンドイッチ構造を持ち音の放射に優れ、フォーカル社ではドライバーコーンの素材としてこれ以上ない、ハイファイ技術に画期的な新しい一章を開く素材と確信。しかも、ポロンエッジのTNFアルミニウム/マグネシュウム合金インバーテッド・ドームツイーターとのコンビネーションによるサウンドは、他の追従を許さない抜群の完成度です。
まさに自然素材と化学素材の融合という最先端テクノロジーによって生まれた、画期的なダイヤフラムを完成させました。
そして、そのデザインはChorus 800Vのスタイルをさらに進化させ、革新的技術を象徴するかのようなグラストップとレザー調のフロントパネルを採用。色調や素材においても、Black High GlossとNOYERという現代的なインテリアに溶け込む仕上げが高い品格を醸し出しています。


フォーカル社の音楽再生の普遍の情熱

過去10年、音楽を再生する手法に大きな変化がありました。CDの衰退傾向からダウンロード音源の普及です。結果、私達の音楽の享受はどこにあるのでしょうか?それは愛する音楽へ導くために私達が今日必要とする新しいベンチマークを作ることです。フォーカルの役割は、最上品質の音楽再生を自宅環境で再現することと美的価値を創造することです。幸いなことに、音楽を本来のしかるべき地位に戻す時が来ました。そしてフォーカルが”最高水準”のハイファイルネッサンスを目指していることは偶然ではなく、良い音を聴くという贅沢はオーディオの中に息づいています。それがUtopia Ⅲシリーズで証明されたのです。そして、フォーカルの願う独自性のひとつとして、あらゆるオーディオファイルの要望を予想して、常に時代の先を行きたいということです。
我々フォーカルの挑戦は、どのようにしてより多くの人々に過去経験したことがない音楽風景の現れる素敵な瞬間を聴いてもらい、そして感動してもらうか、ということです。

 

The new TNF Tweeter / フォーカルの「サウンドの精神」

「インバーテッド・ドームツイーター」は、フォーカル社の代名詞です。過去幾度となく改良が加えられたその優位性は、剛性の高いドームに小口径コイルを直接固定するため、軽くて加速俊敏性が高く、応答能力が優れていることにあります。その逆に、質量の重いものは俊敏性がなく応答力が劣ることは誰もが理解できる点です。低域・中域用ドライバーのコーン同様、フォーカルが他社と違うところは直接の音の出力信号および素材の持つ機械的特性に取り組んでいる点です。最上級シリーズのベリリウム・インバーテッド・ドームツイーターを開発中に得た2つ大きな発見とノウハウを、Aria 900シリーズのアルミニウム/マグネシュウム合金ツイーターの改良に繋げました。
その一つは、ドームとフレーム間のエッジ部に、ポロンという形状記憶素材を導入。これは人間の耳で最も感度の高い2〜3kHzの帯域において歪を2倍削減させることに成功しました。後の一つは、ドーム形状を逆にして用いたことにより空間の表現と指向性の広さにおいて、従来のドームツィーターを遥かに凌いでいることです。さらに、ウェーブガイドにも改善を加えました。水平面の周波数レスポンス偏差はわずか±0.5dBに過ぎません。このことは信じ難いほど広いリスニングエリアの提供を約束します。
このような精細な改良をなし得たのは、20年以上の研究キャリアがあればこそです。

 

Aria 948を開発テスト機に定め行われたFLAXの技術研究

Aria928には高品質な低域を得るために2機の21cm径ウーファーユニットが用いられています。そのコーンのFLAXの量を変えることによる変化を検証し、ウーファーには250g/㎡のFLAXを使ったサンドイッチ構造が選ばれたのに対し、ミッドレンジには125g/㎡が最良であるとの結果が導き出されました。このことから、ウーファーには最大の剛性を、そしてミッドレンジには理想とする軽さと制動性を生み出す利点がFLAXにあることが判明しました。一方では、92.5dBという高能率に充分耐えるキャビネットの開発にも重点を置き、そのハウジング構造を考慮しながら音色の最終調整のためのテストを幾度となく繰り返しました。音のバランスでは、Scala Utopia V2に近づけるというとてつもなく高いハードルが設定されましたが、躍動感、風のような空間表現力、歓喜のリズム感など、スピーカーシステムのすべてにおいて、ユーザーはその完成度の高さにきっと驚愕されることでしょう。このFLAXサンドイッチによって、中域の明瞭度と存在感が従来製品より圧倒的に向上したことは明らかです。
1995年当初、Grande Utopiaが"W"サンドイッチコーンのテストモデルであったように、このAria 948がFLAXサンドイッチコーンのテストモデルに選ばれました。結果は開発チームの予想を遙かに凌ぎ、今やFLAXはフォーカルの中心的マテリアルとして将来のスピーカーづくりに心強い展望を再び開花させました。
とても大切な真の音響的価値として、FLAXは私たちに多大なプレゼントを提供してくれました。

 

Design / キャビネットの構造とフィニッシュはもう一つの重要な要素

スピーカーキャビネットの認識は、数十年の間に進化して来ました。70〜80年代は仰々しいキャビネットによる偽音楽機器から、90年代のテクノオブジェクト化、そして2000年代の小型化へ。その間スピーカーキャビネットは時として邪魔者扱いされることもありました。しかし、高忠実度再生を目指すには、また音響学的にも、ある程度のサイズが必要なことは当然です。
だからこそ家具の一部として、個性の一部として、情熱の一部として、そのデザインを生活空間の一部として調和させることが重要な要素なのです。フォーカルがデザインに拘わる大きな理由がここにあるのです。特に、Aria 900シリーズは存在感あるシンプルな佇まい、上質な素材、柔らかいフォルムなど相反する条件のもと、UtopiaⅢ同様フランスの著名なデザインハウスである「Pineau &Le Porcher」によって家具装飾の一部としてアート化され、厳選された最高素材とともに芸術的フォルムをまとい完成しました。上部のガラスは美しさと強度のため、前面バッフルのレザー調仕上げはダンプ効果と音響的回折のため、そして軽量なアルミニウム台座は基本ベースのために採用。そして、不必要な描写を排除するため、その存在を感じさせないよう研磨されたソリッドなメタルリングをバスとミッドレンジドライバーに装着。ツィーター部には拡散性能を向上させることを優先し、黒の艶消し塗装されたウェーブガイドが装着され、グリルには磁石脱着式を採用。これらは新素材FLAXコーンの素材感覚を最高の形で生かすため、独自に総合デザイン化された結晶です。

音楽シーンに溶け込む流麗なシルエット、これがヨーロッパ文化の真骨頂です。

 

優れたダイヤフラム素材、「FLAX」

豊かな音楽性と余韻。
そのディテールはFLAXの先にある――

コアの材料に何が理想か?
フォーカル社は、他社から供給されるユニットを装着してシステム化するメーカーではなく、過去有名メーカーがそうであったように、30年以上にわたり社の伝統であるドライブユニットの開発をメインテーマとして位置づけ、ユニット振動板の革新的新素材の可能性を探究し続けてきました。この間polyglass、"K2"サンドイッチ、 "W"サンドイッチ、ケブラー、チタン、Tioxid、ベリリウム、アルミニウム、マグネシウムなど、用いられてきた素材は多岐にわたっています。
各ドライブユニットはシステムの基盤であり、その中心的役割のダイヤフラムは、空気分子を逃さず忠実に移動させるトランスデューサーのインターフェイスとして最も重要なパーツです。
材料固有の資質を考えて、理想的なダイヤフラムは下記の矛盾した3要件を満たさなければなりません。
(1)俊敏な動作(加減速)をさせるため軽量であること。
(2)激しいピストン駆動をするため剛性が高いこと。 
(3)材質そのものの固有の音の色付けを無くすため高い減衰特性(ダンピング)が必要であること。
フォーカルはこの条件に充分に応えるため、長年の材料研究にもとづき単一素材を含めその可能性の追求とあらゆる研究を重ね技術革新に取り組んできました。
最新の素材技術の進歩による複合材料と、自然材料を組み合わせた「ハイブリット材料」は、これ以上の適格条件をとらえた素材は他に類を見ないほど未到のまったく新しい次元であり、「至高」という言葉に相応しい“大発見”です。
オーディオ界に歴史を刻む新たな革命―― それが「FLAX」です。
それはガラス繊維の極薄膜を用いたフォーカルのお家芸である"W"サンドイッチ構造によって剛性を制御(コントロール)するという最良の方法により、さらに広い可能性を生み出しました。
FLAXは亜麻の一種で、機械的に減衰させるコア材として最も適していることを研究データから見い出し、成型プロセスにおいても自動化できる不織繊維として早くから着目し、この点についても成功しました。
フランスのFLAXは古くから世界でも最高と言われています。植物特有の組成から、内部にダイヤフラムの材料構造として必要な十分な減衰特性を有し、質量においても中空であるためガラス繊維の1/2の軽さと低密度であり、繊維質であることから高張力で60GPaまでの弾力(ヤング)率を有する好適材料であることに着目。スピーカーの必要な3つの要件を満たすサンドイッチ材料のコアとして天然繊維と複合材を組み合わせるという、この分野で予期しなかった画期的なできごとに遭遇しました。
そしてフォーカルは、この間に開発した何百種という他の素材と長年用いられてきた複合素材とを組み合わせ、比較試聴を繰り返し実施。研究・実験を重ねた結果、FLAXをコアとしたグラスファイバースキン・サンドイッチ構造の複合ソリューションにより、低質量で高い内部ダンピングを備えながら、高速度の運動に耐える高い曲げ剛性の確保を可能とし、非常に調和のとれた方法でこれ以上ない理想のダイヤフラムを生み出しました。

―― 5年の歳月、その研究成果がついに実る ――

 

スペック

スペック比較表
モデルAria 948
型式 3ウェイ/フロアスタンディング/バスレフ型
トールボーイ
ドライブユニット 2.5cm TNF Al / Mg インバーテッドドームツィーター
インバーテッドドームツィーター
16.5cm Flax ミッドレンジ
21.0cm ×2 Flax ウーファー
周波数特性(±3dB)37Hz–28kHz
低域再生能力(-6dB)31Hz
出力音圧レベル(2.83v/1m)92.5dB
定格インピーダンス
クロスオーバー周波数280Hz/2,600Hz
推奨パワーアンプ出力50 〜 350W
寸法(W×H×D)371×1,150×420mm
重量(1台)35kg
JANコード

NOYER(ノワイエ): 4546063304434
Black High Gloss(ブラック・ハイグロス): 4546063304410